養成課程講習会の講習でも勉強しましたが、無線には欠かせない「電波」と「周波数」について、再度確認をしていきたいと思います。電波は、周波数と波長によってさまざまな性質を持ちます。無線をより楽しむためにもきちんと覚えておきましょう。 周波数と波長との関係 1. 周波数 周波数の定義 1秒間に波が繰り返される回数のことです。単位はHz(ヘルツ)で表します。この波が1秒間に1,000回繰り返されれば1kHz(キロヘルツ)、100万回繰り返されれば1MHz(メガヘルツ)というように表されます。この1回分の波を「波長」と呼び、電波の長さを意味します。 ・情報量: 周波数が高くなるほど、多くの情報を伝送できます。 ・直進性: 周波数が高くなるほど、直進性が強くなり、遠くに届きます。 ・回り込み: 周波数が高くなるほど、障害物に回り込みにくくなります。 ・アンテナ: 使用する周波数帯に合わせたアンテナが必要になります。 例えば AMラジオ放送は、周波数帯が数百kHz~数MHzです。そのため情報量は少ないですが、障害物の影響を受けにくいです。 FMラジオ放送:は、周波数帯が数十MHzです。AMラジオ放送よりも情報量が多く、音質が良いです。 携帯電話:は、周波数帯が数百MHz~数GHzです。情報量が非常に多く、高速通信が可能となります。 2. 波長 波長の定義 2つの波の頂点間の距離をいいます。 ・反射: 波長が長くなるほど、反射しやすくなります。 ・吸収: 波長が長くなるほど、物体や人体に吸収されやすくなります。 ・回折: 波長が長くなるほど、障害物の角を回り込みやすくなります。 ・アンテナ: 使用する波長に合わせたアンテナが必要になります。 例えば 長波は、波長が数百m~数kmで遠くには届きますが、情報量は少ないです。 中波は、 波長は数百m~数十mと長波よりも...
アマチュア無線には興味もあるし、やってみたいとは思うけど、資格を取ったあとどうすればいいのか・・・なんて悩んでいませんか。JARDが行っている養成課程講習会に参加して、アマチュア無線の資格を取得すると初心者にも優しい交流サイトが利用できるようになります。周りにアマチュア無線をやっている方がいなくても大丈夫です。このサイトを活用すれば、全国のアマチュア無線家が助けてくれます。 受講者交流サイト「HAMtte」 JARD(一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会)では、JARDが開催した講習会を受講された方に、初心者にも優しい交流サイト「HAMtte」を公開しています。「無線の資格は取ったけど、無線機は何を買えばいいのかな?」「開局申請の方法がよくわからない」なんていう初心者さんに、全国にいるアマチュア無線愛好家の方々が優しくアドバイスをしてくれる交流サイトです。登録料は無料ですが、登録には受講された合格証に印字されていIDとパスワードが必要になります。 初心者だけではありません! 「HAMtte」は、初心者だけでなく、メンバー同士の情報交換の場としても活用されています。掲示板や質問コーナー、JARDスタッフによるブログなど、アマチュア無線を活用していくうえで必要な情報を見ることができます。 養成課程講習会で資格を取ろう! 災害時にも活躍するアマチュア無線を取得しようと思ったら、全国で開催されている養成課程講習会を活用しましょう。詳しくは、JARDホームページをご連絡ください。 関連リンク ・一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD) ・JARD受講者交流サイト「HAMtte」
アマチュア無線は国家資格!取得方法は2種類あります! アマチュア無線を使うには、まず国家資格であるアマチュア無線技士の資格を取得する必要があります。アマチュア無線は第四級から第一級までの4段階の免許があります。どれだけ強い電波を出せるか、どれだけ多くの周波数を使えるのかなどで資格に段階があります。 第四級アマチュア無線技士の免許は誰でも比較的簡単に取得できます。養成課程講習会では、小学校1年生でも続々合格しています。取得方法には以下の2通りがあります。 国家試験を受験する 養成課程講習会を受講し修了試験を受験する です。 国家試験の特徴と申込 国家試験を受験するには日本無線協会が全国で開催している試験日程を確認して申込、受験します。ただ、2022年度から第四級と第三級のアマチュア無線技士の受験方法が大きく変わりました。これまでは、すべての級で、事務局へ申請書を提出し。会場で受験するようでした。しかし、2022年度からは、第四級と第三級は、インターネットを利用した「CBT方式」で受験できるようになりました。申し込みもインターネット(CBTS受験者専用サイト)ででき、試験も全国にある「CBTテストセンター」の中から、場所や時間を選んで受験予約ができるようになったのです。 国家試験の合格率は第四級と第三級では、70~80%程度と言われていて、書店などで販売されている書籍などを購入して独学試験勉強をし取得します。試験手数料は第四級が5,100円、第3級が5,400円です。ほかの上級受験は、日本無線協会ホームページをご確認ください。 合格後には、お住いの場所を管轄する各地方総合通信局に無線従事者免許証の申請を行ってください。詳しくは、総務省のホームページをご覧ください。 養成課程講習会の特徴 一方で養成課程講習会は民間団体などが開催している2日間にわたる講習を受講して最後に修了試験を...
2023年3月22日電波法施行規則等の一部改正が行われました(制度改正の一部については、令和5年9月25日に施行)この改正は、アマチュア無線の体験機会や活用機会の拡大、免許手続の迅速化・制度の簡素合理化等を目的としています。 今回の改正の主な目的は以下のとおりです。 アマチュア無線の体験機会の拡大 ・アマチュア無線の体験運用制度の導入 ・体験運用局の開設要件の緩和 アマチュア局の開設・運用までの迅速化及び免許制度の簡素合理化 ・アマチュア無線従事者免許とアマチュア局免許の同時申請手続の導入 ・アマチュア局免許の申請期間の短縮 その他 ・アマチュア局の再免許の申請期間の見直し ・人工衛星等のアマチュア局に関する制度の明確化及び整備 ・アマチュア局の非常時や緊急時の通報に係る制度の明確化 ・アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別の簡素合理化 その中でも2023年9月25日から施行のアマチュア局の開設・運用の迅速化についてここでは、説明していきたいと思います。 アマチュア無線免許同時申請の手続き方法 従来、アマチュア無線従事者免許の取得に時間がかかるため、アマチュア局の開設・運用までに時間がかかっていました。しかし、アマチュア無線免許同時申請の導入により、アマチュア無線従事者免許とアマチュア局免許の取得を同時に行うことができるようになりました。これにより、アマチュア局の開設・運用までの時間を短縮することができます。 アマチュア無線免許同時申請の対象者は、アマチュア無線従事者資格の国家試験に合格又は養成課程を修了した人です。 手続き手順 ・総務省のホームページから申請書をダウンロードし、注意事項を読んで記入します。 アマチュア無線従事者免許申請書(PDF) アマチュア無線従事者免許申請にあたっての注意事項 アマチュア局の申請...
電波形式A1Aとは?基本からわかりやすく解説 はじめに 無線通信において、さまざまな種類の電波形式(モジュレーション方式)が存在します。その中の一つが、A1Aと呼ばれる形式です。A1Aとはモールス信号で通信を行う際に用いられる電波形式です。 A1Aは、アマチュア無線や海上通信でよく用いられる、連続波(CW:Continuous Wave)を用いた最も基本的な形式の一つです。ここでいう「連続波」は、一定の周波数で連続して放送される波形を指します。 識別子 無線通信においては各電波形式に独自の識別子が与えられています。 A:アムプリチュード変調(Amplitude modulation) 1:単一信号(通常はキャリアのみ、サイドバンドはなし) A:情報が手動でキーイングされる(通常はモールス符号) どのように動作するか? A1Aの場合、情報(通常はモールス符号)はアンテナから放たれる連続波をオン・オフすることで伝えられます。具体的には、モールス符号の各記号(点と線)に対応する期間だけ連続波を送出します。短い波形(点)と長い波形(線)を組み合わせて情報を表現するのです。 どのような用途で使われるか? アマチュア無線: 通信距離が長く、信号が弱い場合でも高い信頼性で通信が可能。 海上通信: 緊急時や特定の信号伝達に用いられる。 航空通信: 一部の航空機が使用することもあり、非常に高い信頼性が求められる。 なぜA1Aが重要なのか? 帯域幅の効率: A1Aは非常に狭い帯域幅で動作するため、多くのチャンネルを同時に使用することができます。 信頼性: ノイズに対して非常に強く、弱い信号でも受信が可能です。 簡易性: 構造が単純であり、故障が少なく、メンテナンスも容易です。 まとめ A1Aは、連続波(CW)を用いた古典的かつ効率的な電波形式です。信頼性が高く、帯域幅を節約できるため、特に緊急...
小学生向け電波の基礎がわかる無料講座 総務省は、夏休みを利用し、多くの子供たちに「電波」について知識を深めてもらうため、電波の基礎から利用のルール、電波の未来などをわかりやすく解説したeラーニング教材を公開しました。 eラーニングは全6章で構成されていて、プロローグとしての0章はYouTubeで公開されています。 第0章 電波ロボットの「パコ」あらわる!(1分40秒) eラーニングは無料で受講でき、電波適正利用推進委員協議会のホームページから事前登録を行って、受講ができます。 登録は以下のリンクより登録が可能です。 【小学生向けeラーニング講座登録へ】 eラーニングの内容 第1章 電波って何?(11分18秒) 第2章 どうやってつながっているの?(10分31秒) 第3章 どんなところに電波が使われているの?(8分35秒) 第4章 守らなければいけないルール(9分28秒) 第5章 電波が使えなくなったらどうなるの?(11分29秒) 第6章 電波のこれからと私たちの未来(9分53秒) 6回の講座は毎回最後に理解度を確かめるクイズも用意されていて、eラーニングとしての理解度の確認もできるようになっています。 この動画は総務省総合通信基盤局電波部電波環境課監視管理室によって企画されたもので、あたりまえのように使われている電波は、当たり前すぎて学ぶ場も少なくなってきたため、若年層が電波を知るための良い機会となります。 この夏親子で見てはいかがでしょうか。
日時:2023/8/26(土)・8/27(日) 会場:狭山市産業労働センター 2F 費用:18歳以下 9,850円 一般 23,150円 ※テキスト・模擬試験・免許申請手続き費用込 時間割 8/26(土) 時間 内容 9:30~10:00 開講・諸注意 10:10~11:10 法規 11:20~12:20 法規 13:20~14:20 法規 14:20~15:30 法規 15:40~16:40 法規 16:50~17:50 法規 8/27(日) 時間 内容 9:30~10:30 無線工学 10:40~11:40 無線工学 12:40~13:40 無線工学 13:50~14:50 無線工学 15:00~16:00 補講 16:10~16:25 試験・諸注意 16:25~17:25 修了試験 ※補講が実施されない場合は、修了試験を30分繰り上げて実施します。
第一電波工業(ダイヤモンド)から発売されている超低価格な車載用マグネットマウントアンテナは、ハンディー機を接続する簡易型モービル運用におすすめです。 リンク 本来なら車載機を積んでしっかりしたアンテナを付けたいところですが、持ち運びに便利なハンディー機で済ませたいという要望もあることでしょう。ハンディー機に搭載のホイップアンテナだと鉄のボディがシールドの役目をはたして電波の飛びが良くありません。 やはりアンテナは外に出しておきたいもの。このマグネットマウントアンテナなら強力マグネットで使うときだけ車の屋根の上に張り付けてより高感度なモービル運用を可能にします。 このアンテナの利得は3.4dBi(430MHzの場合)でインピーダンスは50Ω。全長0.5mで重さは80gと非常に軽く、入力10Wまで利用できます。ハンディ機はほとんどが5Wであるため全く問題もありません。 同軸ケーブルは3mと余裕があるため、車内の引き回しにも非常に便利です。 立体駐車場に入るときなどは折りたたむこともできるため、マグネットで取り外しができるとしても、車に着けたままでの利用もよいでしょう。 アンテナからのケーブルはSMAコネクタであるため、FT1DやFT2D、ID-51などのハンディ機に変換コネクタなしで直接利用できます。
世の中には数多くの好感度をうたった無線機用アンテナが出回り、自作する方々も「如何にして自局のアンテナ感度を高めるか」、ということでさまざまな工夫をされているケースが見受けられます。実際に私も条件が悪い通信の時には長めのアンテナを用いたりして電波環境の改善を図っております。 その一方で思うのは、「使用する条件が限定されているのであれば、あえて感度の劣るアンテナを使おうじゃないか」ということもあるわけです。 相手局との距離がはっきりしていてそれほど受信感度が高くなくても十分に通信可能なときに感度の低いアンテナを使用すると、同じ周波数を使う局との混信をある程度さけることができます。屋根の上のアンテナだと遠方の通信まで拾いすぎちゃってダメ、みたいな状況の逆をいく理論です。そのため混信を避けるには「わざと感度の低いアンテナ」という考えはよいかと思われます。もちろん、電波法では「必要最小限の出力で」とは言っていますが、それでも飛んでくる電波の出力は変えられないのでこちらが受信能力下げて対応する、という方法をとるのが有効な気がします。 もうひとつ、感度の低いアンテナの特徴として「アンテナそのものが小さい」というメリットもあります。小さいアンテナを付けた無線機をかばんに入れておいていつでも使える、という利便性。ハンディー機ならではのメリットを十分に生かしたいといったところでしょうか。レジャーに出かけても邪魔にならない取り回しの良さは一度使うと手放せなくなります。 一般には感度の高いアンテナが望まれる中、あえて小型アンテナ・最小限の出力発信で限りある電波資源を多くの人と混信ぜずに利用して楽しめるといいですよね。
世界が注目するテクノロジーを紹介するYouTubeチャンネル「TECH quickie」でアマチュア無線を紹介する動画が公開されています。 インターネットがますます普及して言っている世界で、今もなお日本でも40万人を越えるユーザーが利用する趣味として知られています。デジタル時代とどのように融合していくのか、テクノロジーとしてのアマチュア無線の面白さを紹介しています。 アマチュア無線は、緊急時の通信に利用できたり、テクノロジーの発展に寄与できるなどユーザーが社会に与える意味を多くもっています。 この動画のように、日本でもクールにアマチュア無線の素晴らしさを広げる活動が必要とされています。
送信出力の切り替え FT1XDはハンディ無線機の中で最大の5W出力ですが、普段から5Wの最大出力で送信していてもバッテリーの消耗が激しいだけですし、意外に低出力でも近場の相手との交信では不自由しません。 出力の調整は簡単ですし、用途によって出力を調整すればバッテリーの消耗を抑えることもできます。 ①本機の黄色いボタンの[F]を押しキーボードの[1]を押します。 上画像のような画面に切り替わります。 ②右上のツマミ[DIAL]で出力の調整をします。 [DIAL]ツマミを回しながら、LOW1(0.1W)・LOW2(1W)・LOW3(2.5W)・HIGH(5W)を選択します。 ③設定したい出力が液晶に表示されたら、左脇の[PTT]ボタンで決定します。 [PTT]ボタンを押すと元の画面に切り替わり、写真の赤丸箇所の表示が変更されます。 AバンドBバンドのそれぞれで送信出力の設定ができますので、用途によって気軽に変更してみるのもいいかもしれません。
免許不用・届け出も不要。手に取っていきなり使えるハンディトランシーバー GPS内蔵で相手の位置も分かる長距離通信 アイコムから発売された特定小電力ハンディトランシーバーIC-DRC1。特定小電力トランシーバーは、免許が不要で届け出もいらない無線機ですが、出力が低いため近い距離しか届かないものが多い中、0.5Wまで出力を出すことができ、周波数も142.934375~142.984375MHz、146.9374375~146.984375MHzというアマチュア無線の145MHz帯の上下のエリアを使っているため、いわゆる2mにも近いエリアの周波数帯でより遠くまで電波が届くと話題になっています。 デジタル通信でGPSの位置情報も送信 このトランシーバーはデジタル変調になっているため、音質も非常にクリア。内蔵のGPSにより自分の位置を記録してその情報を相手に送ることで、通話相手との距離を知ることができます。 デジタル通信独特の声の遅れや、PTTボタンを押してから少し間をおいてから離さないと言葉の先頭が切れてしまうなど、多少の遅延はあるものの慣れてくると殆ど気にならなくなります。 登録した相手機のPTTを遠隔操作。見守りに。 この特小機の最大の魅力は電波の飛ぶ距離もそうですが、登録してある無線機が電波の届く範囲内にある場合「周囲音送信機能」と呼ばれる相手機のPTTボタンを遠隔操作で押すことができ、10秒間だけその周囲の音を聞くことができます。 これにより、例えば子供の見守りや、高齢者の見守りなどにも活用できる無線機としても利用が期待されています。 1台を基地局にして子機の位置をマップ上に。 アイコムのウェブサイトで無料で公開されているGPS情報表示ソフトを利用す...