アマチュア無線とは、電波を使って音声や信号などで会話をする通信手段です。趣味の通信網として広く普及しているもので利用するには国家資格の取得が必要なものです。国家資格とわれると敷居が高く感じられてしまいますが、少し勉強してもらえればだれでも簡単にとれる国家資格です。養成課程講習会という総務省認定の講座に2日間参加すれば合格率は95%以上。最年少は4歳でも取得した実績があり、小学校1年生も続々合格しています。
アマチュア無線を持っているとどんなことができるか?
バイクのツーリングの複数人同時の長距離通話に!
自転車やバイクのツーリングなど、複数人で移動するときにアマチュア無線は役立ちます!無線電波は同じ周波数(チャンネル)に合わせておけば、だれでも同時にその通話を聞くことができます。またバイクなどでは大勢で移動していると高速道路などでは「あっ」という間に距離が離れてどこに行ったか分からなくなってしまいます。そんな時でもアマチュア無線なら強い電波で数十キロ~数百キロ先まで声を届けることができるので、仲間がどこにいるのかよくわかります。
日本中、世界中の人と会話を楽しむ「異文化交流」
無線通信で、日本国内や世界中の人達と通信して話しをすることができます。アマチュア無線は携帯電話などと違い、基地局を使わずに1対1の通話だけでなく、不特定多数の人に「だれかお話ししましょう!」と呼びかけることができます。すると通信を聞いていた人が「私と話しましょう!」と応答して会話がはじまります。通話できるチャンネルは有限ですが沢山ありますので、空いているチャンネルを探して会話をします。日本全国の国家資格をもった人たちや海外の人達と交信することで世界を知ることができます。
「圏外」がないからスキー・スノボのバックカントリーや登山に!
アマチュア無線は携帯電話などと違い「圏外」というものがありません。ですから、携帯電話などがつながらない山や人里離れた場所などでの通話に最適です。スキーやスノーボード、キャンプ、登山などはまさに圏外になる場合が多いエリアでのレジャーです。こういったときにアマチュア無線を持って出かければ、一緒に行った人たちとのコミュニケーションツールとして活躍します。グループで登山している場合などでは、それぞれの場所を教えあったり、山の頂上にでれば他の山を上っている人たちともコミュニケーションがとれるでしょう!また、近年急増しているバックカントリースキーなどでは、その位置だけでなく万が一の事故や遭難などの際に救助要請などにも使えます。
QSLカードと呼ばれる特別なカードを交換!
無線通信をするとQSLカードと呼ばれる絵葉書のようなオリジナルカードの交換をする習慣があります。カードはそれぞれ自分オリジナルのものを作ります。その地域にちなんだものや、美しい風景、自分の無線設備やアンテナ、趣味でやっているものなど様々。通信の記念になりますね!
FPVドローンを飛ばす際に必要な国家資格
近年注目を集めているFPV(First Person View:一人称視点)ドローンは、ドローンに取り付けた小型カメラからの映像を無線電波で伝送し、これをヘッドマウントディスプレイで見ながら操縦を行うものです。このドローンから送られてくる無線電波はアマチュア無線の周波数帯を使うため、アマチュア無線技士の国家資格が必要です。
科学の学習やテクノロジーを趣味に!
アマチュア無線では、アンテナや周辺機器を自分で工夫して自作したりします。自分で設計し、自作することでものづくりを進んで行うようになります。また、国家資格を受験する際に電気や電波の基本的な概念なども学ぶため、理科系に興味を持つきっかけにもなるでしょう。更にパケット通信などインターネットの根底にある情報通信なども学ぶことで通信技術を実践から深く学ぶことになります。
アマチュア無線が国家資格である理由
アマチュア無線で使う電波とは有限な資源です。さらにこの電波というものは公共のものであり、これらを使うには利用者同士がルールをしっかり守り、お互いを尊重しながら利用する必要があります。無線を利用するには電波法で定められた法律を学び無線従事者の免許を受ける必要があります。
有限で公共の電波を使うため、国に利用者としての登録が必要というわけです。