SSBで周波数帯を有効に活用 無線通信において、様々なタイプの電波形式(変調方式)が使用されています。その中で特に一般的なのが、J3Eと呼ばれるSSB(Single Sideband)の一形式です。本記事では、この電波形式J3Eについてわかりやすく解説します。 電波形式とは 電波形式とは、無線通信で使用する電波の「形」や「特性」を示すためのコードです。これには様々な種類があり、それぞれ異なる用途や特性があります。 J3Eとは J3Eは、SSB(Single Sideband)変調の一種であり、特に「USB(Upper Sideband)」を指します。これは、送信する際に元の信号(キャリア)とその上側の帯域(上側帯域)のみを用いる方法です。 SSB(Single Sideband)とは 通常のAM(振幅変調)方式では、キャリア波とその上下の帯域(上側帯域と下側帯域)が送信されます。しかし、SSBではこれらのうち一方の帯域のみを送信します。これにより、帯域幅を節約し、効率的な通信が可能になります。 なぜJ3E(SSB)が用いられるのか 帯域幅の効率化: SSBはAMよりも帯域幅を少なくとも半分に抑えられるため、周波数資源を効率的に使えます。 電力の効率化: SSBはキャリア波を省くことで、送信電力を効率よく使えます。 遠距離通信: 上記の効率化により、より遠くまで信号を届けることが可能です。 用途 J3Eの形式は、特に以下のような用途で広く使用されています。 ハムラジオ 船舶通信 航空無線通信 軍事通信 まとめ J3Eは、無線通信でよく用いられるSSBの一形式です。帯域幅と電力を効率よく使用するため、多くの用途で採用されています。この形式を理解することで、無線通信のさまざまな側面がより明確になるでしょう。
アマチュア無線では多くの電波形式(エミッション・デザイナータ:Emission Designators)が使われていますが、それらはITU(国際電気通信連合)の規格に基づいています。ITUの規格では電波形式は3つまたは4つのアルファベットと数字の組み合わせで表されます。
電波形式A3Eとは? 無線通信の世界では多種多様な電波形式が存在します。その中の一つがA3Eです。この記事では、A3Eの特性、用途、そしてなぜ重要なのかについてわかりやすく説明します。 A3Eとは? A3Eは、一般にAM(Amplitude Modulation、振幅変調)として広く知られている電波形式です。 識別子の解説 A:振幅変調(Amplitude modulation) 3:二つ以上の側帯(sidebands)とキャリア(carrier)が存在 E:情報が音声である(通常は人の声) 動作原理 A3E(AM)では、送信する情報(通常は音声)を用いてキャリア波の振幅を変化させます。その結果、周波数領域で見ると、中心のキャリア波とその両側に側帯が現れます。 用途:どこで使われているのか? 一般の放送: AMラジオはこの形式を使用しています。 航空無線通信: 空港の管制塔と航空機間で使用されることがあります。 非緊急の海上通信: 低帯域で広範囲をカバーするために使用されることがあります。 A3Eの重要性 簡易な受信機: A3E(AM)の受信機は非常にシンプルで、製造が容易です。 広範囲のカバー: 低帯域では、A3Eは遠距離にわたって信号を送る能力があります。 注意点と制約 ノイズ: A3Eは他の形式(例:FM、デジタル)に比べてノイズに弱い。 帯域幅: A3Eは比較的多くの帯域幅を消費します。 まとめ A3E(AM)は、振幅変調を用いた伝統的な電波形式です。特に一般の放送や航空通信でよく用いられます。簡易な受信機で運用でき、強い信号と広範囲のカバーが可能ですが、ノイズに弱く帯域幅も多く取るという制約があります。それでも、その独自の利点と用途によって、今日でも広く使用されています。
電波形式A1Aとは?基本からわかりやすく解説 はじめに 無線通信において、さまざまな種類の電波形式(モジュレーション方式)が存在します。その中の一つが、A1Aと呼ばれる形式です。A1Aとはモールス信号で通信を行う際に用いられる電波形式です。 A1Aは、アマチュア無線や海上通信でよく用いられる、連続波(CW:Continuous Wave)を用いた最も基本的な形式の一つです。ここでいう「連続波」は、一定の周波数で連続して放送される波形を指します。 識別子 無線通信においては各電波形式に独自の識別子が与えられています。 A:アムプリチュード変調(Amplitude modulation) 1:単一信号(通常はキャリアのみ、サイドバンドはなし) A:情報が手動でキーイングされる(通常はモールス符号) どのように動作するか? A1Aの場合、情報(通常はモールス符号)はアンテナから放たれる連続波をオン・オフすることで伝えられます。具体的には、モールス符号の各記号(点と線)に対応する期間だけ連続波を送出します。短い波形(点)と長い波形(線)を組み合わせて情報を表現するのです。 どのような用途で使われるか? アマチュア無線: 通信距離が長く、信号が弱い場合でも高い信頼性で通信が可能。 海上通信: 緊急時や特定の信号伝達に用いられる。 航空通信: 一部の航空機が使用することもあり、非常に高い信頼性が求められる。 なぜA1Aが重要なのか? 帯域幅の効率: A1Aは非常に狭い帯域幅で動作するため、多くのチャンネルを同時に使用することができます。 信頼性: ノイズに対して非常に強く、弱い信号でも受信が可能です。 簡易性: 構造が単純であり、故障が少なく、メンテナンスも容易です。 まとめ A1Aは、連続波(CW)を用いた古典的かつ効率的な電波形式です。信頼性が高く、帯域幅を節約できるため、特に緊急...
アマチュア無線の祭典「ハムフェア2023」が開催! 2023年8月19日(土)、20日(日)の2日間アマチュア無線家たちの日本最大のイベントでもある「ハムフェア2023」が東京ビックサイトで開幕しました。日本国内はもちろん、海外からも関係者が集うアマチュア無線の祭典に、わがオンエアーズスタッフも1日目の様子をうかがってきました。 ビックサイト正面にもハムフェアの看板が飾られていました。今年は「さあ行こう!アマチュア無線の新時代」というサブタイトルです。2021年の法改正で、社会貢献活動での利用が広がり、2023年9月からは免許申請方法が変わるなど、令和に入りアマチュア無線の利用範囲が広がり、利用者の利便性の改善がおこなわれていることからこのようなサブタイトルになったのでしょう。 今回は南ホールですので、正面から来ると右手方向に流れていきます。展示会場の南3,4ホールは一番奥なので、少し歩かなければなりません。 入場前にはチケットを購入します。日本アマチュア無線連盟(JARL)に入会している方は会員証を提示すると1,000円で入場でき、入り口の入会ブースでJARLに入会すれば無料でも入場できます。私たちが到着したのは初日(19日)の11時頃でしたが、すでにすごい人。端から端まで4往復する行列でした。アマチュア無線家の今年のハムフェアへの期待が伺えます。 会場内はすでに多くの人々が各展示ブースで始まっている新製品の紹介や、イベントなどに集まり、真剣に耳を傾けています。 ICOMブースはIC-905 入ってすぐのICOM(アイコム)ブースでは、新製品のIC-905に注目が集まっています。アマチュア無線業界では初となるVHF~SHF帯までの高い周波数をカバーしたマルチバンドのトランシーバーです。144MHz/430MHz/1200MHz/2400MHz/5600MHz/10GHzに...
アマチュア無線フェスティバル「ハムフェア(2023)」 今年も日本アマチュア無線連盟(JARL)が主催するアマチュア無線フェスティバル「ハムフェア(2023)」が東京ビックサイトにて2023年8月19日(土)、20日(日)の2日間にわたり開催されます。 アマチュア無線は、電波に声を載せて遠方の人と通信を楽しむ、いわば携帯電話の基本にもなっているものです。アマチュア無線を楽しむためには、免許(国家資格)が必要ですが、このイベントでは免許がない方でも楽しめるコーナーが沢山用意されています。 免許が無い方でも実際に電波に声をのせて、遠方のアマチュア無線家と交信を行う「体験局運用」や子どもたちに電気や電波の基本を学んでもらうための電子工作教室なども用意されています。 南極昭和基地コーナーでは、南極で発見された隕石や南極の氷、南極の石などが展示されます。昭和基地にもアマチュア無線クラブがあり、観測隊の人と話すチャンスもあります。 ほかにも、全国のアマチュア無線クラブや関連団体、企業など172のブースが会場を埋め尽くし、アマチュア無線の世界で行われている様々な活用や自主制作機器の展示、メーカーによる新製品の紹介などが行われます。 この夏、親子で無線通信の原点ともいえる「アマチュア無線」の世界を覗き、通信テクノロジーを学びましょう! 【開催概要】 開催日:2023年8月19日(土)・8月20日(日) 開催時間:1日目-10時~17時 2日目-10時~16時 場 所:東京ビックサイト 南展示棟3・4ホール 主 催:一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL) 後 援:総務省、文部科学省、東京都、NHK、公益財団法人日本無線協会、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会、日本アマチュア無線機器工業会、公益財団法人東京観光財団 共 催:電波新聞社、電波タイムス社、CQ ham radio、子...
小学生向け電波の基礎がわかる無料講座 総務省は、夏休みを利用し、多くの子供たちに「電波」について知識を深めてもらうため、電波の基礎から利用のルール、電波の未来などをわかりやすく解説したeラーニング教材を公開しました。 eラーニングは全6章で構成されていて、プロローグとしての0章はYouTubeで公開されています。 第0章 電波ロボットの「パコ」あらわる!(1分40秒) eラーニングは無料で受講でき、電波適正利用推進委員協議会のホームページから事前登録を行って、受講ができます。 登録は以下のリンクより登録が可能です。 【小学生向けeラーニング講座登録へ】 eラーニングの内容 第1章 電波って何?(11分18秒) 第2章 どうやってつながっているの?(10分31秒) 第3章 どんなところに電波が使われているの?(8分35秒) 第4章 守らなければいけないルール(9分28秒) 第5章 電波が使えなくなったらどうなるの?(11分29秒) 第6章 電波のこれからと私たちの未来(9分53秒) 6回の講座は毎回最後に理解度を確かめるクイズも用意されていて、eラーニングとしての理解度の確認もできるようになっています。 この動画は総務省総合通信基盤局電波部電波環境課監視管理室によって企画されたもので、あたりまえのように使われている電波は、当たり前すぎて学ぶ場も少なくなってきたため、若年層が電波を知るための良い機会となります。 この夏親子で見てはいかがでしょうか。