アルファベットと数字で構成されている電波形式の意味
アマチュア無線では多くの電波形式(エミッション・デザイナータ:Emission Designators)が使われていますが、それらはITU(国際電気通信連合)の規格に基づいています。ITUの規格では電波形式は3つまたは4つのアルファベットと数字の組み合わせで表されます。
- 第1の記号: この記号は主要な変調方式を示します。
- A: 連続波
- F: 周波数変調
- G: 一般的な連続変調
- J: 単一側帯変調
- N: 無変調
- 第2の記号: この記号は信号の性質、または情報の種類を示します。
- 1: モールス符号でのみ送信
- 2: 音声とデータの両方、または複雑な変調方式
- 3: 音声通信
- 7: 複数のチャネルによる多重化
- 第3の記号: この記号は情報の詳細を示します。
- A: 2つの条件が同時に適用される場合
- B: 電信(通常はデジタルモード)
- D: データ、テレメトリー、またはテレコマンド
- E: 電話(音声)
- N: 何も送信されていない場合
- W: 2つ以上のデータタイプが送信される場合(例えば、データと音声)
- オプションで追加される第4の記号: これは特別な条件や付加的な情報を提供することがあります。
以下は一般的な形式の例です。
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- A1A: 連続波(CW)通信。通常、モールスコードで使用。
- A2A: 同じく連続波で、識別信号を伝送する際に使用。
- A3E: AM(振幅変調)音声通信。
- F3E: FM(周波数変調)音声通信。
- G3E: シングルサイドバンド(SSB)振幅変調、キャリア有り。
- J3E: シングルサイドバンド(SSB)振幅変調、キャリア無し。
- R3E: 単一側帯、低レベルまたは縮減されたキャリアでの振幅変調。
- H3E: 単一側帯、フルキャリアでの振幅変調。
- F1B: 離散周波数シフトキーイング(FSK)データ通信。
- F2D: FMデータ通信。
- J2B: SSBデータ通信、通常デジタルモード(RTTY、PSK31など)。
- C3F: NTSCビデオ(通常はアマチュアテレビで使用)。
- G7W: マルチチャネル多重変調(通常はデジタルモード)。
これらは基本的なものであり、多くのサブタイプとバリエーションが存在します。それぞれの形式は特定の用途や状況で最も効果的です。たとえば、A1A(CW)は非常に弱い信号でも通信できるので、遠距離や厳しい条件下でもよく使用されます。一方、J3EやF3Eは音声通信でよく用いられます。デジタルモードは高度なデータ通信に適しています。
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